けやきひふ科の日記

富山県砺波市にあるけやきひふ科です。皮膚の話題、治療の話題、学会で得た知識など、掲載しています。

巻き爪 陥入爪の対応について

開業して5年以上経過しますが、大学病院・総合病院ではあまり経験のなかった疾患の一つです。大学病院では、比較的重症の患者様が来院され、陥入爪の生活指導など、積極的に行ったことはありませんでした。
開業して驚いたことの一つは、陥入爪で困っていらっしゃる方の多いこと。開業前は手術での対応を基本としていましたが、軽症だけど繰り返す陥入爪の方が非常に多いのです。これまでも陥入爪に対する弾性ワイヤー挿入などは行っていましたが、保険外診療で、すべての人に行えるわけではなく、対応を悩んでおりました。改めてテーピング法を見直しました。きっかけは、先日開催された東京支部皮膚科学会です。

その学会で陥入爪治療のエキスパート、新井裕子先生のレクチャーを聴講してまいりました。文献では知っていましたが、実技を見るのは初めて。文献だとわからないコツがあり、とても勉強になりました。正直、テーピング法をすこし軽んじていました。きちんとポイントをおさえれば、何割かの患者様は、テーピングだけで回復する可能性が高いようです。

当方でも、同様の指導を行って、陥入爪の患者様に指導していきたいと思います。

先週、指導した患者さんの一人が、痛みが取れて肉芽も縮んできたと、経過をみせてくださいました。久しぶりにヒットを打った気分です。