けやきひふ科の日記

富山県砺波市にあるけやきひふ科です。皮膚の話題、治療の話題、学会で得た知識など、掲載しています。

腋窩多汗症

夏になると、相談事が増えます。腋窩多汗症
シャツの汗染みが気になるとか、汗がお腹の方まで垂れてきてしまうとか。やはり周りの方の目が気になります。

最近は、二種の外用剤が処方できるようになりました。

ジェル状の薬剤と、ウエットテイッシュのような布に液が染み込ませてあるタイプのものがあります。

 

https://ecclock.jp/disease_product_movie/#video5

 

https://wakiase-navi.jp/

 

こちらにも詳しく書いてあります。

https://www.maruho.co.jp/kanja/wakiase/lp/?utm_source=gkt&utm_medium=cpc&utm_campaign=hak_waki_202301&utm_content=medicine_res&gad=1&gclid=EAIaIQobChMI_ObTjbzr_wIVS7eWCh3DZwIGEAAYASAAEgJaz_D_BwE

 

汗でお困りの方は、ご参考に。

もちろん、外来でご相談を。

 

 

 

手掌多汗症

皮膚科の業界もいろんな薬剤が登場する時代になりました。

長い間、患者さんの訴えの多さにも関わらず、良い薬剤がなかった分野、多汗症

脇の汗に効果のある治療が出て、しばらく経ちますが、手のひらについての薬はありませんでした。ついに登場です。

二宮さんのTVコマーシャルも放映されていますので、お見かけになった方もあると思います。

 

手掌多汗症と言いますが、学生さんだとプリントが、テスト用紙が濡れて困ったり、事務仕事の方は、紙類がふやけて困るって声があります。

また、握手ができないって、困っている声も聞いたことがあります。

アポハイドローション

使ったあとは顔を触ったり、目を触ったりしないよう、気をつけて。
コンタクトレンズ使用の方は、注意が必要ですね。コンタクトを外した後に塗布した方がいいと思います。

 

詳しくは、受診してご相談を。

帯状疱疹の予防

帯状疱疹というのは、突然と現れて、とても痛い病気です。しかも、発症年齢が高いほど、重症化する傾向があります。特に、帯状疱疹後神経痛となると、嫌な痛みが延々と続くわけです。

 

出来れば、避けたい。

 

避けるためには、潜伏したウイルスの活動性が上がらないよう、身体の免疫力を維持することです。

規則正しい生活をする。

 

ブースター効果を得られるように、水痘や、帯状疱疹の患者と接触機会を増やす。現実的には難しい。皮膚科か小児科に勤めないと。

 

ワクチンを接種する。最後に書きましたが、これが一番効果の高い方法です。

現在、二種のワクチンがあるのですが、新しいものは、予防効果がとても、優秀なんです。

 

下の表にあるように、ワクチンを投与したグループと、投与しかなかったグループを比較すると、97%くらいの予防効果があります。

 

ものすごく良い予防効果です。

 

 

帯状疱疹の症状,帯状疱疹後神経痛

帯状疱疹が発生するのは、眠っていたウイルスの増殖がスタートするからです。それは、神経細胞でもおこります。また、その神経の近くの皮膚でもおこります。

 

最初は、皮膚には何にも無いのに、感じたことが無いようなピリピリ感、痒みから始まります。そして、1週間くらいして、ブツブツが出てきます。虫刺されだと思ったと、言われる事もあります。また、筋肉痛や腰痛だと思って、湿布をして、受診される方もおられます。

 

症状ほ、時間と共に変化していきますが、おおむね、下の図のような経過をたどります。

 

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神経に沿って帯状にやや盛り上がった赤い斑点があらわれ、その後、水ぶくれができます。水ぶくれの大きさは粟粒大〜小豆大で、ウイルスが原因となる水ぶくれの特徴として中央部にくぼみがみられます。
皮膚と神経の両方でウイルスが増殖して炎症が起こっているため、皮膚症状だけでなく強い痛みが生じます。
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通常、皮膚症状が治ると痛みも消えますが、その後もピリピリするような痛みが持続することがあります。これを帯状疱疹後神経痛といいます。これは急性期の炎症によって神経に強い損傷が生じたことによって起こります。

 

この神経の損傷に伴う痛みが、とても厄介なのです。

 

では、帯状疱疹後神経痛を防ぐには、どうしたらいいのでしょう?

帯状疱疹の症状

帯状疱疹って,ご存知ですか?

 

皮膚のブツブツと,痛みが出る病気なんですが,厄介なことに,痛みだけが残ることがある病気です。

 

知り合いがかかったり,ご家族にご経験のある方がいらっしゃるかもしれません。とても嫌な病気です。

 

子供の時に、水疱瘡に、なります。水痘ともいいます。それって、ウイルスが起こす病気なんですが、そのウイルスは、一回かかると身体の中に、眠った状態を保って、潜んでしまいます。人間の身体には、異物を排除しようとするチカラがあるのですが、それをすり抜けて、神経細胞の中に眠った状態で、いないふりをして休んでしまうのです。

 

眠ったふりをしたまんまなら、身体には問題は、無いのですが、身体の方が弱った時に、急に息を吹き返し、増殖を始めるのです。

 

増殖が始まると、その神経には、傷がついてしまいます。そして、皮膚には水ぶくれから、傷を作るのです。神経に傷をつけるので、とっても痛い病気なんです。ただ,大した事はない方もいらっしゃいます。

 

 

 

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皮膚のブツブツが痛いと感じることもありますが,痛みを感じる神経に傷害が起きており,皮膚の炎症が治っても,痛みが続くことがあるのです。ずっと,続く痛みを帯状疱疹後神経痛と言います。

増えている帯状疱疹

帯状疱疹という病気の発症率は、徐々に増加をしています。

宮崎県で行われた大規模な長期調査が行われています。そのデータでは,少しずつ人工あたりの発症数が増えている傾向にあります。

 

 

これとは反対に,子供の水痘発症率が減少しています。

水痘は2014年10月1日から定期接種対象疾患(A類疾病)となり、生後12—36か月に至るまでの児を対象に2回の定期接種が開始されました(2014年度は経過措置で生後36—60か月に至るまでの児にも1回接種)。導入後まもなく、定期接種対象年齢を中心に水痘患者報告数の減少がみられました。

 

つまり水痘ワクチンの導入に伴って,子供の水痘が減少しています。これは,予防接種としてとても良い効果をもたらしてくれました。

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https://www.niid.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-idwrs/7620-varicella-20171020.html

 

この二つには,因果関係があると考えられています。

先にお伝えしたブースター効果は,水痘に接すると起きる訳です。つまり大人が,水痘の子供と接触する機会が減ったために,大人の水痘・帯状疱疹のブースター効果が起きる確率が減少し,大人の帯状疱疹発症が増加傾向になったと考えられています。

 

 

 

 

帯状疱疹のブースター効果って,知ってます?

帯状疱疹という病気は,ご存知でしょうか?耳にした事くらいはあるのでは?知り合いや,家族がかかったという方もいらっしゃるかもしれません。

 

子供の時に感染する水疱瘡ってありますね。そのウイルスが,身体のどこかに眠った状態で休んでいるのですが,身体の状態が悪くなると,ウイルスが活動を始めて帯状疱疹という病気を引き起こします。普段は,身体の免疫力が優っているので,ウイルスが眠っているのですが,身体の方が弱るとウイルスの活動がスタートするのです。

 

その抑えている力,免疫力を上げる働きが,ブースター効果です。それは,どういう時に起きるかというと,同じウイルスに接触する事で,身体の免疫力が上昇すると考えられています。水疱瘡の子供さんや,お孫さんに接触すると,ブースター効果が起きるのです。あるいは,帯状疱疹の患者さんに接触すると,ブースター効果が起きるのです。

 

新型コロナウイルスの予防で,ブースター効果って言葉が広まり,お分かりかもしれません。2回目のワクチン接種,3回目のワクチン接種によって,人工的にブースター効果を発揮させている訳ですね。

 

帯状疱疹に話を戻します。日常生活で,感染した人と接した方が,ブースター効果が起きて,帯状疱疹に罹りにくくなるという訳です。ところが,水痘になる子供さんがどんどん減少しているのです。なぜかといいうと,水痘・帯状疱疹ワクチンが定期接種となり,ほとんどのお子さんが接種するようになったからです。水痘の罹患率が減少しているのです。

 

 

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https://www.niid.go.jp/niid/ja/varicella-m/varicella-idwrs/7620-varicella-20171020.html

 

このことが,帯状疱疹の発生と大きく関係しているのです。