けやきひふ科の日記

富山県砺波市にあるけやきひふ科です。皮膚の話題、治療の話題、学会で得た知識など、掲載しています。

円形脱毛症と紫外線療法

円形脱毛症とは、不思議な病気です。突然、きっかけもなく、気づいたら、毛が抜けてしまいます。

それも華麗にまあるくぬけてしまうのです。

 

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自己免疫性疾患ということがわかっています。免疫のバランスが壊れて、敵を排除するはずの免疫力が暴走、自分の身体の一部であるはずの、毛母細胞を壊すようにはたらきかけるのです。毛母細胞つまり毛を作る細胞が、壊れてしまうのです。そのような流れで、毛がなくなります。

 

そこで、免疫細胞の暴走をいかに防いでいくのか?という話になるわけです。

治療方法の一つに、紫外線療法があります。

 

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みずいぼ こまった!!

みずいぼ、正式には、伝染性軟属腫といいます。

保育園・小学校などで、プールの時期に指摘をうけて、治療を希望され受診されます。

 

治療方法

1. 病院でピンセットで摘除。我慢が必要です。

2. 自然治癒をまつ 期間は、長期間におよぶかもしれません。増えるかもしれません。

3. ピンセットでとる前に、局所麻酔テープを使用する。やはり我慢が必要です。

 

以前から、すこしうわさにはなっていたのですが、熊本県の会社が開発した保湿クリームがあります。効果があるとは、いえません。あくまで保湿剤です。銀が配合されており、抗菌効果があります。2.の自然治癒をはやめてくれる可能性があります。異物反応がおきて、免疫が排除しようとはたらく可能性があります。

 

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薬剤ではありません。銀配合の保湿剤です。


当院で取り扱いを始めました。

試してみたい方は、受付へ。

尋常性乾癬とは?

danro.asahi.com

 

以前に、モデルでタレントの道端アンジェリカさんが、乾癬患者だと告白してこの病気が有名になりました。皮膚の慢性疾患の1つで、ガサガサした赤みが繰り返し出現する厄介な病気です。かゆみを伴う場合と、あまりかゆくない方がいらっしゃいます。特徴のある赤い皮疹が繰り返し出現するので、外見的にすごく気になることや、赤身の表面にガサガサした鱗屑ができて、それが剥がれ落ちフケのように洋服に付着し不潔に思われたりするという誤解を生じます。

 

例えば頭皮に乾癬の病変があった場合、鱗屑が目立ち厄介です。周囲の方からは、そのフケのように見える鱗屑が嫌がられるのと、患者さん本人も皮膚の赤みと鱗屑が剥がれ落ちることがとても辛く、あまり人前に出たくないといった意識が強くなります。

 

体や四肢に繰り返し出現する場合は、服で隠すようになります。また、温泉などに行くのはためらう方も多いです。

 

現在様々な治療法がありますが、患者様の重症度によって使い分ける必要があります。

 

基本的には外用剤(塗り薬)を継続的に使用する。その他に尋常性乾癬治療に特化した内服薬を継続的に飲む方法、紫外線療法と言って、医療用に開発された光を当てる方法などがあります。

 

いろんな要素を考慮し、組み合わせて治療を行う必要があります。

尋常性白斑とモデル

時々、テレビでも紹介されている方です。多発性の尋常性白斑の方ですが、隠す事なく、モデルをしておられますね。すごいパワーだと思います。

 

尋常性白斑は治療の難しい病気です。お困りの方もいらっしゃると思います。現在の治療で変化が乏しい患者様、一度、紫外線レーザー治療(XTRAC)を試してみられたらいかがでしょうか?

 

www.excite.co.jp

XTRAC 紫外線レーザーという新しい治療

緊急事態宣言が解除され、社会的にすこし落ち着いたムードが流れています。実際にまだ闘病されておられる患者さんや、隔離されている患者さんも多数いらっしゃるとは思いますが、自粛ムードがすこし開放されつつあるようです。このまま収束にむかえばと、願うばかりです。

 

感染症の流行につき、プレゼンテーションしづらかったのですが、当院は2020年より新しいレーザー機器を導入しています。適応のある疾患は、尋常性白斑、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、一部のアトピー性皮膚炎、円形脱毛症などです。

これまで、エキシマライト(VTRAC)で光線治療を行ってまいりましたが、従来機より数段上の治療効果があります。VTRACでも効果があったのですが、そうれよりさらに効果がよいことを、患者さんも、私も、スタッフも実感しております。

 

円形脱毛症に関しては、通常の治療に、この治療を加えると改善までの時間が非常に早くなります。おそらく深部まで適切なエネルギーが及ぶのだと思いますが、有害な反応は少ないです。

 

尋常性白斑に関しては、非常に難治性の疾患ですが、VTRACよりも数段効果が高いと思います。

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これまでの治療で効果がえられていない方は、一度、ご相談をいただければと思います。

 

もちろん保険適応のある治療になります。

新型コロナウイルス感染症流行と皮膚

新型コロナウイルス感染症の流行がまだまだ予断を許さない状況です。アルコールが欠乏したり、マスクが足りなかったり、果てには医療用の防護具が不足と、困った状況となっています。

感染症の流行につき、予防策として手洗い、消毒が推奨されていますが、皮膚科としては手荒れ、手湿疹の患者様がどんどん増えています。アルコールは皮膚の油分を奪います。手洗い石鹸も皮膚の油分を奪います。結果、刺激に反応しやすくなり手が荒れます。洗浄は避けられないので、その後の保湿が重要です。奪われた油分は保湿で補いましょう。
そうすれば、手荒れの予防となります。

けやきひふ科では、アルコール消毒を準備しておりますが、その横に保湿剤を常備して、保湿を促しております。受診の際はご利用ください。

新型コロナウイルス感染症 

世界中が新型コロナウイルスの感染拡大に揺れています。当院のある富山県は、幸いというか、まだ感染者は出ておりません。ですが、砺波市の学校は休校中で、いつもと違う3月を送っています。砺波市はチューリップ栽培が盛んな土地で、毎年チューリップフェアが開催されます。この感染騒ぎで、今年の開催はどうなるのか心配しています。また、稀に見る暖冬で、今年のチューリップ開花調整は、例年以上に、困難でしょう。写真は、少し前のチューリップフェアですが、今年も綺麗な花が、私達を楽しませてくれることを願っています。

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そんな中、新型ウイルスの感染症対策を当院でも行っています。発熱した患者さんが、当院を受診されることは少ないのですが、症状のない感染者がたまたま待合室にいらっしゃったと仮定すると、他の方々にいかにうつさないか、環境を整えるしかありません。感染が拡大しないような環境とは、長時間同じ空間にいないことだと思います。待合室の混雑を出来るだけ減らしたいと思っています。

これまで、一番の混雑は、土曜日でした。現在、土曜日のみ、原則予約患者様のみの診療に変更しています。このため土曜日は、混雑が失くなりました。ところが、逆に平日の混雑ができてしまいました。そこで、来週から、基本的に予約制の診療体制に変更します。

これまで、ネットから順番取りを可能にしていましたが、ネットの順番取りは、中止します。直接、ご来院頂くか、当日の午前8時まで時間予約を可能にしますので、予約した時間にご来院ください。

直接、ご来院頂いた際に混雑しておりましたら、空いている時間を指定致しますので、そのお時間に戻ってきていただくようにお願いする場合があります。ご協力をお願い致します。

 

うつらない、うつさない。皆さん、頑張りましょう。